7月5日の夜、BFMTVをチラ見していると、突然「ロワレ県(パリとロワールの中間の県)のアラン・ドロン邸に警察の乗用車と救急車が到着、道をブロックし、同居の『日本人女性』が警察の車に乗り込む」様子が映し出されてました。
この救急車は何のために来たのかと疑問でしたが、警察が呼んだもので、今日7月7日に出てきた情報によると彼女はドロンの息子たちが雇ったボディガードから暴力を受け、結局は病院に運ばれたそうです。打撲症等で5日間は仕事ができない状態であると診断。当面は無罪とみなされ警察に拘束されることはないとのこと。
告訴2件がほぼ同時に
この無罪ということに関して説明すると、騒動に先立ってこの『日本人女性』に対し、ドロンの長子、アンソニー・ドロンと腹違いの弟妹の計3名が連名で『モラルハラスメントおよび郵便物横領』での告訴状、さらにアンソニー・ドロン単独でもう1つの告訴状、『弱者への恣意的な暴力、虐待、および監禁、そして動物虐待』が提出されていたのです。
アンソニー・ドロンの言い分によると、
彼女は父のアシスタントで、邸宅の管理をしたりする雇い人だった。しかし2019年に脳卒中で倒れた後、父は彼女の言いなりになっていった。彼女は父になりすまして電話に出たり来客に応対し、届いた郵便物を隠したり、自分たちが会いにくるのを妨げたり、時には飼い犬を殴ったりする。2022年1月末日、私はついにこれを公にすることを決心した。その前年2021年の11月には父がその数週間前の晩、転倒事故を起こして額を数針縫う大怪我をして一夜入院することになった時に彼女が私たちに連絡を取らなかった(=会わせてくれなかった)ことで私は彼女と激しい言い争いをした。
数週間前まで、父は自分に合わない生活を諦めているようだったが、それは家で知らない医療アシスタントと2人きりにならないために支払わなければならない代償だと考えているようだった。
彼女が父と恋愛関係にあるということは断じて無いし、私たちの行動は金銭に関する問題とは無関係である。
今、父は私たち兄妹と一緒で、心穏やかに過ごしており、喜んでいる。
アラン・ドロンについて
アラン・ドロンといえば日本でも非常に有名なフランスの映画俳優で、60年代から80年代にかけて一世を風靡する存在でした。当時はイケメンという言葉はまだありませんでしたが、そんな軽いものではなく、海外の美男俳優、二枚目スターといえばハリウッドスターをさしおいてこの人がそのイメージの筆頭に上がっていました。日本の紳士服「ダーバン」のCMにも登場、TVの画面に登場する度にエレガンスなダンディズムの風がお茶の間に吹き込まれたのではないでしょうか。また、世紀末ごろに発売された彼のプロデュースによる香水「サムライ」も有名です。
主要作品も「太陽がいっぱい」、「太陽が知っている」、「地下室のメロディ」、「シシリアン」、「山猫」、「仁義」、「サムライ」、「さらば友よ」、「ボルサリーノ」、「フリック・ストーリー」、「高校教師」、「ゾロ」etc.、枚挙にいとまがありません。実は私も映画作品として見るだけなら、ファンです。
さて、さすがのこのアラン・ドロンも昨年、2022年11月に87歳になりました。ここ20年ほどは際立った出演作も少なく一般的には日本人から忘れられかけていたとは思います。昔の妻や彼女たちは先に病死などで遠くに行き、最近はロワレ県にある邸宅に居住、2017年に引退宣言をした後は隠居して静かに暮らしていたようです。2019年の初夏に脳出血で倒れパリの病院で手術を受けたことは知られていますが、その後スイスで療養していたとのこと。スイスにも、またこのパリに近いロワレ県にも住居があるのですが、どうやらここのところはこのフランス側に落ち着いていたようで今回の騒ぎもここで発生しています。
『日本人女性』、ヒロミ・ロラン
さて、この騒動の原因になった『日本人女性』ですが、ヒロミ・ロラン(66歳)と報道されているだけで彼女の履歴などは現在のところほとんどわかっていませんが、今のところアラン・ドロンとの接点だけが明るみに出ています。
彼女は以前から映画関係の仕事をしていて、当時「助監督」としてメイクなどを担当していたそうです。アラン・ドロンとは、1990年ごろ知り合ったようです。ただ周知の通り、この時期アラン・ドロンはオランダ人のモデル(アンソニー・ドロンの妹と弟の母親)と事実婚をしていたのでした。
その後このモデルさんとは(例によって例のごとく)破局したのですよね・・・。ドロンは確か、彼女の事を「尻軽」とか言っていたようですが、どっちもどっちかと。
上のTV映画出演からおよそ17年後の2021年の6月に放映されたTV5Mondeでのインタビュービデオの中でドロンは現在ある『日本人女性』がそばに居てくれて彼女に満足して過ごしていると語り、初めてヒロミさんの存在が明るみに出ました。その2年前に脳出血で倒れた後の静養生活でも「常にそばで世話をしてくれた」、とも言っています。私もTVを見ましたが画面で見た限り、テレビのスタッフもこの時彼女に会っています。2021年9月のJ.P.ベルモンドの告別式にも付き添って現れています。また2022年には芸能誌Galaの表紙に登場、今年の5月には下の写真の通り、今回の告訴人のひとりでもある末の息子の映画の試写でも一緒でした。
写真からみると本当に東洋系の顔立ちで名前も「ヒロミ」なのでやはり日本人なのでしょうか。しかしロラン(Rollin)という名字はあきらかに日本人のものじゃないので、ここが謎ですが、ずっと以前に結婚歴があり、仕事の便宜上、フランス人の元配偶者の名字を通称として名乗っているようです。
さて、彼女は最初に書いたように病院に運ばれた後、医師の診断を受け、「暴力による負傷」を受けたことと、自身に向けられた嘘の告発内容に全面的に戦うと彼女の弁護士が発表しています。また兄妹の行為は金銭に絡むものではないのでは?のコメントも。
今後日本人の評判はどうなる?
ドロンの息子たちはこの告訴は楽勝で時間はかからないと見込んでいますが、果たしてどうでしょうか?
また、肝心の本人、アラン・ドロンも告訴に同意し、またヒロミさんに邸宅から出ていくように手紙も書いたとかいうことですが、本人の談話は全く無く、もっぱら長男のアンソニーが表に出てぺらぺらしゃべっているといった、はてなマーク付きの状況です。本人は2年前、さらに昨年もインタビューで談話を発表していますが、今年はまだ何も動きが無いんですよね、写真は上の通りありますけど。
また、兄妹はアラン・ドロンの愛犬を本人の意志に反してしばらく前から動物預かり業者に預け、屋敷の鍵を別のものに変えたらしいです。そしてガードマン登場。
しかしヒロミさんをガードマンを使って力づくで追い出しにかかったことで、逆に訴えられることになってしまいました。暴力で無理やり強制退去させるということはたとえ家をスコッター(不法占拠)された場合であってもよほどのことがないと行わないのですが、無理やりつまみだすといったやり方に何か人種差別の匂いを感じるのは私だけでしょうか。金銭問題とは関係ないと主張していますが、果たしてどうなのでしょう? 先日屋敷がある町の通りかかりの住民にTVジャーナリストが意見を聞いたところ、
「私はカップルだと思いますよ」
と言っている人も居ました。利害関係のない第三者の目というのは肝心ですよね。
また、案の定ネット上にはヒロミさん=『日本人女性』に対する辛口アンチコメントがかなりの数上がっていて、これで日本人の一般的に良い評判が今後この国でどうなるか、実は心配です。
家宅捜査と事情聴取 (2023.7.26)そして反駁の告訴
7月26日、パリのすぐ西の郊外(シュレンヌ市)にあるヒロミさんの自宅にロワレ県の警察が家宅捜査に入ったとのことでした。パーキング付きの一戸建てから、書類(?)等が入った袋を抱えた私服の男性たちがこれまた普通の乗用車に乗って去っていった映像がTVで映し出されていました。
しかし、ここはパリ郊外でもヌイイとまではいかなくても結構高級で安全(ここ大事!)な地区で、一戸建てなどはとても普通の安サラリーマンでは現在、ローンも組めないところです。
こういうのを見ると、ヒロミさんって生活カツカツでお金に困っている人とかじゃないようですよね。ドロンの息子たちが本音では気にしている筈の『お金目当てのつきまとい』は一体本当なのでしょうか。
その後、自分のプジョーに乗って外出する(おそらく事情聴取に向かうのだろうと思われます)ヒロミさんが。事情聴取の結果によっては逮捕もありえるのですが、そんなことはなかったですね。
また、ドロンの銀行口座から彼女によって数千ユーロが引き出されていたという訴えがあるのですが、これはおそらく彼の必要とする経費、広い家の維持のためのメンテ費用か何かかな、と私は推測しますがいかがでしょうか?
それにしてもパリ付近はここのところ涼しくて、この通り長袖。『温暖化』はどこに?
そして2日後の7月28日、今度はヒロミさん側からドロンの息子たちに対し、『虚偽告訴』および『自身に対する暴力行為の扇動』、そして『窃盗』という告訴が起こされました。
つまり、存在しない不法行為をでっちあげて告訴したことによる虚偽告訴行為と名誉毀損、そしてボディガードに暴力扇動、また屋敷に残っているヒロミさんの私物を返還していないという窃盗行為についての訴えです。
(要するに7月5日は3人が屋敷にボディガードを引き連れて現れ、ヒロミさんを着の身着のまま暴力でもって無理やり押し出し、ドロン邸に置いてあった彼女の私物についてはそのままキープしている、と状況だったのでしょうね。)
今後の動きに注目ですね。
追記:2024年7月、ご本人が日本の雑誌に語った真実
『謎の日本女性、ヒロミさん』。これまでは現地フランスのTVにも一度、雑誌に一度ほど記事が掲載されただけで、そもそもの彼女の祖国日本では彼女の身近で事情を知る人以外は、まったく「誰なの?」というつぶやきしか聞こえていなかったでしょう。
ところが1年経った先日2024年7月、日本の雑誌社が直接ご本人に連絡を取った結果、彼女本人の口からこれまでの事情が語られました。以下がその連載記事です。記事をそのまま持ってくるのは盗作になりますので、下記のリンクで読むことができます。(それぞれ頭のHを取ってコピーしてブラウザに貼り付けてください)
Hhttps://archive.is/Bc3Mw
Hhttps://archive.is/WlfBE
Hhttps://archive.is/2Sbg4
Hhttps://archive.is/wxlqB
でも、わたし的に見るとスターであった当時のドロンは想像以上に『嫌な奴』で『最低な野郎』です。皆さんはどうお思いになりますか?彼の映画は好きですが、あれは監督&脚本、それに共演者とその他縁の下の力持ちがあってこそなので。
そしてその息子たちは、もう何と言っていいか。↓
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