Photo by Sébastien Botella: from Nice Matin
ニースのヒーロー
先日のテロで運転席のテロリストと戦った人がいましたが、
この勇敢な人が一週間後、地元紙等の取材に応じました。
失礼ですが筋肉モリモリ元気一杯の若者でもなく、細身で
<テロリストと殴り合い>などとは一見無縁な紳士です
が・・・。ニースの空港に勤務するごく普通の会社員です。
実はスクーター追跡の模様はドイツのジャーナリストが
一部ビデオに撮影していて、その暗がりで撮った映像
によると倒れたスクーターが巻き込まれた様に見え、
運転手も下敷きになったんだ、と騒がれていました。
私も秘かにあのスクーターの人の安否を気遣っていたの
ですが、この方はあのテロリストと格闘したすごい人と
同一人物だったのです。
テロリストとの格闘
テロリストをぶん殴った左手の腫れが取れず、シャツに
隠された背中には大きな内出血の跡、頭に殴られた
コブ、肋骨も折れたかヒビが入ったようですが・・・・。
*以下インタビューの概要です。
その夜、妻と花火を見に来たところ、時間が遅かった
のでプロムナードの入り口付近にあるアイスクリーム屋
に行って、それからのんびりスクーターしてたのですが・・・。と、大勢が後ろから付いて来る音と叫び声が聞こえ、
妻が何かおかしな事が起きてるワ!停まって!
と叫んだので後ろを見たら人々がわめきながら逃げ惑
ってるのが見えたのです。ちょうどトラックがやって来る
ところでした。トラックはちょうど私達のスクーターの横、そして歩道の
上を走って行きました、バックミラーを見る暇は無かった、
それでも何が起きているかすぐわかったので追跡しよう
とアクセルを踏み込んだところ妻が後ろにいるのでそこで
降ろし、一人で追いかけました。とにかくアイツに追いつか
ねば、とジグザグに猛スピードで走りました、目に見えてい
たのはトラックの後ろだけでした。トラックはあちこちぶつかりながらも歩道を暴走しています、
私のスクーターは加速力があるのでもう追いつくところに
なりました。どうにかして止めなければ、と夢中でしたが
意外と冷静に考えることが出来、左から運転席を攻める
ことにしました。追い付いた時、スクーターが邪魔になったので降りて
トラックをめがけて放り投げ、走って追いかけました、
転んでもまた追いかけました、その辺のことはよく憶えて
いません。そしてとうとう運転席のアイツに追いついたの
です。(この時、既にトラックは障害物のため停止してい
たのでしょうか、それともこの人が妨害したから停止した
のかも)タラップから上って開いていた左の窓から運転席のヤツを
何度もぶん殴りました。右利きなのですが、左手で。
(フランスは左ハンドルで運転席は左窓だから右手では不可
能だった?)アイツは殴られても終始無言でした。それから
ピストルを操作しようとごそごそやって、私に向けて引き金を
引いたのですが、発射しませんでした。その時私はもう死ん
でもいいと思ってましたが。再び殴り続け、ドアが開かないので窓からヤツを引きずり
だそうとしたのですが、そこでピストルの柄で頭を殴られ、
タラップから落ちてしまいました・・・。すぐに起き上がれま
したけどね。
この直後、警官が銃撃してテロリストを射殺したのだと思います。
しかし、危険を顧みないでここまで出来る人、今の日本に居るかな?
***あれあれ、本日も特番になってしまいました・・。
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