フランスに外国人として滞在する その3 ビジター滞在

ワーホリは年齢制限があるので使えない、今更学費を払って学校に行くのは・・・、
でも1年はフランスでゆったり過ごしてみたい!

という人には1年間(+さらに延長)の滞在も可能なビザがあります。

2022年5月現在日本のフランス大使館ではフランス人配偶者を持つ人のビザ、同行家族ビザ、仕事での渡航ビザ、留学のための学生ビザ、再入国ビザ以外の申請は受け付けていません。今後変更になる可能性もありますので申請時に大使館のHPなど信頼のおける情報にてご確認ください。

目次

ビジター(visiteur)として入国、1年間滞在可能(更新可能)の滞在資格

これには当然まず入国するための長期滞在ビザがあることが前提になります。パスポートだけで入国しても3ヶ月だけの滞在しかできません。

この滞在許可証付き長期滞在ビザ(VL-TS)を入国前に在日フランス大使館で申請・取得します。出発予定日の3ヶ月前から受け付けていますのが、予め余裕を持って早めに行うことが必須です。申請用紙は大使館のサイトからvisiteur用のものをダウンロードして記入します。申請に関する情報は直接大使館に問い合わせてください。

ビジタービザ申請時の条件
  • 申請用紙に予め予想滞在期間(3~6ヶ月・6~12ヶ月・12ヶ月以上)を記入する箇所があるので
    スケジュールがある程度きちんと決まっていること
  • 滞在資金として予想滞在期間1ヶ月につき1,535ユーロ(*2023年3月現在)以上所持していることを証明できること
  • 滞在中の医療費用を保障する海外旅行保険に加入していること(フランスの社会保障には加入不可)
  • フランスでの労働は被雇用者であっても自営業者としても全く不可能、労働はしないことを宣誓する必要有り

ですから、保有資金に余裕がある、または日本国内で何らかの収入を得ていてそれを生活資金としてフランスで使うことができる人なら申請可能ではないでしょうか。ただ、現地での滞在許可延長の場合はもちろんのこと日本出発前に申請する入国ビザもいわゆる『生き物』で、可否の判断はあくまでフランスの役所にありますので一概には言えません。(一般的にこのタイトルのビザは、 フランスに合法的に居住している子供の扶養親として、またPACSパートナー(同居期間が1年未満)としての申請が主なものであるそうです。)

日本で取得したビザの残りが2ヶ月を切ったら延長カードを申請

そして、ビザが取れたら予定通りフランスに渡航することになります。

到着したばかりでは周りの環境に慣れるのが精一杯のはずですが、学生滞在と同じくネット上で この滞在許可証付き長期滞在ビザ(VL-TS) ビザのバリデーション作業を忘れないことです。これは到着してから3ヶ月以内に行わないといけませんが、着いてからすぐにやっておいた方がいいはずです。
https://administration-etrangers-en-france.interieur.gouv.fr/particuliers/#/

その後、この日本で取得してネットでバリデーションしたビザの有効期限が残り2ヶ月になった頃、滞在している県のプレフェクチュア(Préfecture、県庁と日本語では訳されていますが、日本の県警と県庁を合わせたような行政組織で、外国人の滞在許可証やフランス人の身分証明証の発行許可も行っています)にあてて、滞在許可延長の申請手続きをします。

便利なことにフランスに滞在する外国人のためのガイダンスサイトがあります。上記のバリデーションもこのサイト内で行うようになっているのですが、フランス語・英語・中国語で閲覧できるようになっていますので英語やフランス語が読める人はビザを申請しようと思いついたら最初にまずこちらを見ておくことをお勧めします。
英語版: https://administration-etrangers-en-france.interieur.gouv.fr/particuliers/#/

注意! 予め日本で準備しておかなければいけない書類があります

滞在延長の申請は滞在地の県庁で行うのですが、おそらく県庁によってやり方に違いがある、つまり方法がどこも全く同じとは限りません。ですが、必要書類はどこもほぼ同じはずです。

ただ、日本でなければ用意できない、またはお家の人に頼んでも郵送その他に日数がかかるので、日本で用意していくべき書類があります。それは自分本人の戸籍抄本です。アポスティーユまでは要求されないはずですが、書類が日本語では受け付けてもらえませんのでフランス語翻訳を添付する必要があります。そしてフランスの県庁では個人や普通の翻訳業者によるのではなくフランスの役所に登録している法定翻訳家による法定翻訳でなければ受け付けないので注意が必要です。これは在フランスの登録法定翻訳家(あるいは登録法定翻訳家を擁する翻訳会社)に依頼します。

主な必要書類
  • 現在有効な長期滞在ビザまたは滞在許可証
  • 最新の情報が記載された出生証明書のフルコピー (=自身の戸籍抄本+その法定翻訳)
  • パスポート(身分証明書、有効期限、入国スタンプ、ビザに関するページ)
  • 発行されて6ヶ月以内のフランスでの住居証明 (賃貸契約書、居住者本人の電気料金領収書など)
  • 証明写真3枚(オンラインで申し込みの場合:e-photo code(駅などにある証明写真を撮影するものとして承認された写真ブースで撮影した写真のフォトプレートの番号を記入)
  • 年間15,631.75ユーロ(月額1,302.64ユーロ)に達する資力があることを証明するもの(銀行証明書、支払能力者の保証書、退職者の年金証書など。 第三者に扶養されている場合:身元保証人の十分な資力を証明する書類(所得税通知書、給与明細書など)、資力証明書、身元保証人の身分証明書 
    *書類が日本語ではフランス人担当者が理解できないので提出しても戻されます。英語版を日本で用意できればフランスでの翻訳費が安く済むはずです。(例えば日本の銀行の残高証明は英文で発行してもらって持参)
  • フランスで働かないという宣誓書(手書き)
  • 滞在期間中をカバーする医療保険に入っているという証明書  *上記同様日本語の証明書は不可!
  • 滞在許可証にかかる税金および印紙税の支払い証明書 (現行は合計225ユーロ、政府のサイト上で支払えます)
  • Ofiiが発行する健康診断書(許可証交付時に提出)

と、言うわけでかなり大変な手続きになるようですが、これでフランスでゆったりと長期滞在できます。資金に余裕があって手続きができる方なら可能ですね。フランスでは働けませんが、もともと十分な蓄えがある、または日本で高額な収入があって時には帰国して仕事をしながら滞在、そんな方にはぴったりではないでしょうか。

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