10年滞在許可申請にはTCFのA2レベルが必須!

*色々あるフランス語の公的試験。(CIEPサイトより)

CIEPのサイトをほぼ1年ぶりに訪れたのですが、見たところ何だかサイト画面が賑やかになっていて試験の種類が多くなっています。

何が増えて画面がせわしくなってるの??

よーく見ると、”TCF pour la carte de résident en France”、(=つまりは滞在許可を取るためには受けなければいけない・・・??)が加わっていました。

なるほど10年ぐらい前からはフランスで滞在許可を申請するとフランス語がわからない、あるいは初級レベルの人たちにはお役所主催の語学学校通学が義務付けられています。
(・・・余談ですがこの語学教室、無料なのですがクラスの雰囲気は一般的に日本人にとってはあまりよろしくないものと聞いています。)

しかし、義務としての試験が出来たとは知りませんでした。

目次

10年カード申請時に必須

Carte de résident(いわゆる10年カード)の申請に特設TCFのレベル証明が必須になったのは約1ヶ月前の2018年3月7日から、ということでまだ始まったばかりです。

必須レベルはフランス語学習レベルA2、日常生活に支障がない程度ですのですでにフランスで普通に生活出来ている人なら問題は無いはずですが今年の3月からレベル達成の公的証明書を取る義務が生じ、この10年カードへの申請用に特別に別の名前のテストが作られた、ということです。
(ちなみにテストは有料です!)

用途からもこのテストの受験はフランス国内に限定、テスト会場は一般のTCF同様に語学学校等、(しかもなんと普通のTCFよりも頻繁に行われるらしい)料金は他のテスト同様会場により若干違うようです。
*現時点では始まったばかりなので学校サイトに案内が乗っていないところも。

ふーん。そうなんだ・・・・。

TCF滞在許可用証明書の見本

なんで分けたの??

さて、TCFについてはご存知の方も多いと思いますが、知らない人にはTOEICの仏語版のようなテストとの説明がイメージしやすいでしょう。

21世紀に入り、EUの語学基準に合わせて開始されたテストで一般向けTCFではリスニング、文法的理解、リーディングの三部で構成されています。この3つは客観テスト、いわゆるマークシート式になっています。試験会場が限られますがオプションでスピーキングとライティングの表現力テストも受けることが可能です。

<30年以上の歴史>のあるDELF/DALFと同じくA1からC2まで6レベルに分かれているのですが、TCFはディプロマではなく自分の語学レベルがわかる、あるいは証明するテストです。

ですからTCFを受けて取った得点はレベル証明としては2年しか有効では無いことになっています。

(でも例えば25年前留学した時DELFでB2に受かってもその後日本とか他の国に住んでフランス語に関係ない仕事や生活をしてたりしているとレベルは相当落ちてるはずだと思いますが、それでも「ディプロマ」なので一生有効なのですよね、ワタシ的には納得できないのですが。)

話が横に飛びましたが、さて、CIEPのサイトを見てなんでこの”TCF pour la carte de résident en France”をわざわざ新設したのという疑問が素直に湧きました。
「オプションの作文と面接込みでの一般用のTCF受けてそれでA2レベル以上ならOK、でダメ???」

よくわかりません。

まだ始まったばかりで過去の問題も入手出来ませんが、おそらくはこのテストに出現するボキャブラリーやシチュエイションがフランス生活でよく遭遇する内容ではないかと勝手に想像しています。

しかしテスト受験はなるほど必須ですが、
既にDELFでA2以上のディプロマ保持者、
あるいは
過去2年以内に一般用のTCFをスピーキングとライティングのオプション込みで受験して全体でA2以上の評価の証明書がある人、
または
フランスの学校でもらう各種ディプロマの保持者
はそれらの証明書が代わりになるのです。
(それから65歳以上の人も免除)

TCFにも色々あります

これまでTCFの種類にはTCF DAP(大学入学受け入れ用の語学証明)、TCF Québec(カナダのケベックへの移住希望者用)、TCF Canada(ケベック州以外のカナダへの移民+カナダ国籍申請希望者用)、TCF ANF(フランス国籍取得希望者用)がありましたが今回の10年カード用はTCF pour la carte de résident en France(10年カード取得用)。

大学に入るためのTCF DAPはやはり文章作成の能力を見ること中心で一般人にはちょっと特殊なテスト、ケベックやカナダはこれはこれで想像付きますね、カナディアンフレンチが出来るか、ということでしょうか。

しかしTCF ANF(フランス国籍取得希望者用)なのですが、B1レベルというのはなるほどわかります。でも、リーディングや文法的なチェックはありません、聴解&面接だけ。今回始まったA2レベルのテストが文法の項目は無いものの作文や読解込みの四つ巴でほぼ全てをカバーするのに、不思議。
べらべらしゃべれてもまともに書けない、ちょっと複雑な文が読めないフランス国民でいいのでしょうか??

2020年9月訂正追加

2019年12月末の改定で2020年4月1日からこのテストでは聴解と面接に加え、読解と作文が課されるようになりました。4月といえばロックダウン中で申請する人は居なかったはずですが、解除後の申請分から以前の会話と聴解だけのTCF ANFの証明では受け付けられなくなりました。
日常会話はできても読み書きが怪しい申請者も多いのでハードルを上げたのでしょう。

さらに申請条件に『テロ行為に関与して刑を受けたことがなかったこと』が名言されるようになりました。
(刑を受けてなくても関与した可能性はあるので各々厳重さの度合いは違っても調査が入るのは間違いないでしょう)
やはりいろいろ問題がありますからね。

これらは同じTCFでも微妙に時間や問題数が違います。
色々種類が増えて当事者にとっては混乱、ですね。

TCFのテストの種類にもいろいろ

Source: https://www.france-education-international.fr/tcf

!2019年10月の10年カード申請時のお話 (2019年11月追加更新)

ご存知の人も多いですが、10月のはじめにパリのプレフェクチュアで職員が起こしたローンウルフ・テロがありました。内部からの犯行は関係者のみならず多くのフランス在住者を震撼させたものでしたが、その後に10年カードの申請手続きに行った人が予想しなかったことがあったそうです。
(ちなみにフランス人配偶者としてではなく、日本人の自由業者としての申請手続きです)

予め持参したお決まりの書類群の提出についてはそれで普通なのですが、プラスして、

10年カード申請についての志望動機を書くように指示される
そして、
フランスの国旗の色、国歌の題名、国の標語(自由、平等、博愛)について質問(詳しい説明は要求されず)
などの国籍申請時の面接に近い質問がされたということでした。

驚きですよね?

きっとテロの発生によってより厳重な審査がされることになったのでしょう。

もちろんえこひいきなどできないので日本人の様な、テロにはまず関係のない国籍の持ち主でも同等に扱われなければいけないのですが、ますます厳しいことになったな、との感です。

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