個人事業主(Auto-entrepreneur(またMicro-entrepreneurとも)の開業登録サイト、INPI
私は2019年にMicro Entrepriseとして開業しました。
これはもうご存知の通り、社会保険料支払いや税金の支払いの簡便さ、そしてフランス国内の顧客からのTVAの徴収義務免除(決められた一定の売上以下という条件はあります)など、アドミ的に簡単で、出納簿や銀行入出金記録、請求書(言語は仏語に限る)関係は一応保存しておく必要はありますが、損益計算書/貸借対照表の作成義務はありません。したがって特に会計士にお願いする必要はありません。
しかしながら必要経費は申告できず、サラリーマン同様一定の控除があるのみなので、事業投資がほとんどいらない自宅での作業に終始するビジネスや日本語教師を始めとするティーチング業などに絶対お勧めの企業形態です。もちろん小規模ながら販売業もできます。
つまり労働許可がある滞在許可証を持っているならこの企業形態で気軽に小さな個人事業主として起業できます。
登録手続きも超簡単で、ネットで30分~1時間もあれば出来てしまいます。
以前は当時のブログ記事でもお分かりのように、Micro Entreprise専用のサイトにアクセスしての登録でしたが、2023年2月からは管理が一元化されて他の企業形態と共にINPIというサイトを通して登録・管理するシステムになっています。
INPIへの登録は2023年以前に開業した人も必要
さて、そのINPIの正式名称はInstitut national de la propriété industrielle(略称INPI)といいます。そもそもはその名の通り知的所有権保護や特許・ブランド名の管理などを行う機関ですが、企業登録や企業・事業関連情報のデータベースの管理もおこなっていて、Micro Entrepriseとして開業するにはここにまずアカウントを作成することが必要です。
さらに、以前からAuto-entrepreneurである人も内容の改変(2番目の事業内容を付け足したり、一時休業)、また廃業の際にはここを通す必要があるので、このまま制度が変わらない限り、一度はINPIアカウントを作ることになります。
それでは登録方法などを見ていきましょう。
登録方法は3つ、しかし結果として無料/有料に分かれます
このリンクが https://procedures.inpi.fr/?/newaccount 登録リンクですが、しかし、リンクをクリックすると出てくる画面を見ると登録するにはなんと3つのアクセス方法があります。(2024年12月現在)
この3つの方法をコンパクトな図にすると下の様になります。
A) FranceConnect+ 経由
FranceConnect+はフランス政府が提供する無料のデジタル身分証明書ソリューションです。
デジタルIDの使用によるこの方法は、デジタルIDに最新の無料デジタルサイン機能が付いているので、すべての手続きをオンラインで行うことができます
その前提として、
FranceConnect+を利用するにはまずはデジタルIDが必要です。デジタルIDはL’Identité Numérique La PosteというサービスまたはFrance Identitéで作成できます。
その作成方法は2通りあります。
この通り、L’Identité Numérique La PosteまたはFrance Identité経由でのデジタルID作成が必要ですが、
France Identitéは仏国籍しかも2021年から切り替わった新スタイルのIDカードの保持者に限られるので、外国籍や旧式IDを所持する人たちは必然的にL’Identité Numérique La Posteを通してのデジタルID作成になります。https://lidentitenumerique.laposte.fr/
L’Identité Numérique La PosteでデジタルIDを作成可能な条件:
フランス人の旧サイズ身分証明証、または外国人の場合有効期間が5年以上と示されているフランスの滞在許可証を持ち、スマートフォン(Androidバージョン12以上、iOSバージョン15以上)を保有し、 フランスの携帯電話番号を持っている 。日本等外国の携帯電話番号は対象外です。
年齢18歳以上。
デジタルIDの作成は、自宅にてオンラインでL’Identique Numérique La Posteのウェブサイト、またはGoogle Playや App Storeの同専用モバイルアプリケーションから行うこともできます。
参考:https://franceconnect.gouv.fr/franceconnect-plus#creer-identite-numerique
2)FranceConnect経由(FranceConnect+とは違います)
ご注意:この方法によるアカウント作成では、電子署名を使用することはできません。そのため有資格証明書(有料)に基づく高度な電子署名が必要となります。
FranceConnectは、オンラインサービスや手続きへの接続を容易にするための政府のサービスです。外国籍でもすでに以下のアカウントをお持ちならそのパスワードを使って簡便にアクセスできます。
impots.gouv,frアカウント、Ameli.fr、L’Identité Numérique La Poste、MSA、YRIS
* L’Identité Numérique La Posteはこの通り、先程のA)、このB)の両方で使えます。L’Identité Numérique La Poste経由なら、A)の方法のFranceConnect+で行う方が無料デジタルサインが使えるので有利です。
3)直接INPIのアカウントを作成
ご注意:この方法によるアカウント作成では、電子署名を使用することはできません。そのため有資格証明書(有料)に基づく高度な電子署名が必要となります。
要約(もう一度おさらいです)
INPI(企業登録 企業・事業関連の電子手続き)ポータルアカウント作成画面のアクセスは、上記の説明にあるように(A、B、Cの)3通りです。
登録リンクをクリックするとアクセスするためのボタンが3通り表示されますので、自分がアカウントを作成したい方法(画面上のボタン)を押します。
ここで、A) FranceConnect+を選択すると、事前にデジタルIDを作成する手間はありますが、無料です。
注意:
Franceconnect+のボタンを押して先に進むと France Identité のボタンとL’Identité Numérique La Posteのボタンの2種類が表示されますので事前にデジタルIDをを作った方を選びます。France Identitéは仏国籍で新しいタイプのIDカードを持つ人のみ対象ですのでこのブログを読んでいる人は通常はL’Identité Numérique La Posteのボタンから入ります。
私はこの間までは気にもとめなかったのですが、たまたまMicro Entreprise登録に手数料を払うことになったという事例を聞いて、「?????」の気分になってので調べてみたところ、この手数料はINPIアカウント作成に手数料を支払う方法を取ってしまったために発生したということがわかりました。どうせなら手数料は払いたくないですよね?それで調べたところ、上記の通り、ちょっと複雑なことがわかりました。
手数料を払わないで済む方法はこれまで説明したように、最初のA) FranceConnect+使用でアカウントを作成することです。かく言う私も実は最後のC)の方法を取ろうとしていたので目から鱗でした!
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