『マニュアル車ばかりのヨーロッパ』
秋に入ってしばらくは過ごしやすい季節になりました。ここは通常は東京近辺より少し暖かくて10月いっぱいぐらいはそんなに寒くないので、ドライブに行くのもいい感じになりました。暑いと太陽をまともに浴びるところならエアコン付けていてもあまり効かないので大変ですよね!
でもね、私は実はフランスに来てから運転したことないんですよね~。
- 右側通行なので感覚が狂った。(初めの頃は歩行者として歩いていてもどこか違和感がありました)
- そのうえこちらの(特にパリとかリヨンとか都会の)ドライバーは概して運転が荒く自己中心的なので普通に怖かった。
- また、制限速度が平均して日本より速いのでビビった。
- ウチの車はご多分に漏れずマニュアル車だった。
- 都会に住んでいて公共交通機関が発達していたので特に自分で運転する必要はなかった。
こんな訳でしょっぱなから【運転はしません 】 モードになったのですが、その前にスペインに学生滞在していた1990年代の半ばから終わり頃にかけても、見る車はすべてマニュアル車、2000年代当時の情報でも欧州ではとにかくマニュアル車というスタンダード情報でした。
以前日本でマニュアル車免許取得後、実践ではずっとオートマに乗ってきた身としては上の枠内に書いたような状況では、
す、べ、て、や、り、な、お、し
ですよね。
最近の傾向・・・まるで30年ちょっと前の日本
しかし、ここ数年でなんとオートマ車が格段に増えてきました。
フォード社のデータによるとここ最近の新車販売は欧州全体では3割がオートマ車になったそうで、興味深いのはドイツ等よりも英国での伸びが大きいそうです。・・、そうでしょうね、イギリスは右ハンドルなので左手でのギヤ操作は左ハンドルの場合よりやりにくいです。実はこれがわたしが昔日本でマニュアル免許を取った後AT車を購入した理由でした。
保守的な傾向のあるヨーロッパのドライバーがオートマ車運転に切り替える理由は???
フランスでは理由を聞かれると
- 渋滞の時、ラク
- 面倒くさいギア操作が要らない。(←もしかして片手で携帯を持ちたいから?それは禁止だよ!)
- 燃費がよくなってマニュアル車との格差が少なくなった
などの意見が多いそうです。しごく当たり前の理由ですが、なんだか30年ちょっと前の日本を見ている気分がしてきました。あのバブル期にはよりラグジュアリーな乗り心地が求められて値段が少々お高くてもオートマにする人が急増していったものです。それまでオートマといえば大きめの比較的デラックスな車だったのですが、これが小さなクルマにも搭載されていくようになっていきました・・・。
上はフランス新車販売台数におけるAT車の割合ですが、今や2台に1台以上がオートマ車です。これで行くと2030年には85%となる予想ですが電気自動車(EV)が増えることは必須なのでこれ以上になる可能性も考えられます。
オートマ車は2011年以前からありましたが、昔はハンディキャップのある人などが使うクルマという見方が強かったです。ですが、今は若い世代がラクにドライブしたいということで普及に火が付いたんですね。日本と違って10年以上前の古いクルマに乗ってる人も多いのでそれほど多いとは感じないのですが、街中に駐車してあるのを見ていくとなるほど新しめのクルマは大体がオートマです。
ユーチューバーも抜け目がありません。YouTubeを見るとまだまだオートマ車の経験が少ないユーザーに向けて「オートマ車ではNGな行動」ビデオがいろいろ見つかりました。
スペインやポルトガルではまだフランスより少ないようですが、確実にAT車は増えてきています!
今後ヨーロッパに来られる人たちはお家の車がマニュアルだった場合は別として「絶対にマニュアル車を運転しなければいけない」という重圧(?)はほぼなくなるでしょうね。
なにを隠そう我が家の車は10年以上前からオートマで、今ので3代目です。もとはと言えば私が「パリ周辺道路の痛勤渋滞の時絶対にラクだからこれにしなさい」と進言したことに始まりますが、これは結局正しかったようであります。
ここに来てそろそろ当地での運転の練習(もちろんオートマ車で)をしたくなったSAKURAでした。
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