今日の午前、たまたまPCでニュースを見ていたらトップニュース扱いでこのニュースが。
日産からはこれで当然縁切りですが、一躍<時の人>となったゴーンは(逮捕されたので氏は省きます)約20年前に仏ルノー社からやってきたのです。
私はまだ日本に居たのですが彼が就任した際のTVニュースはよく憶えています、映像を見た時とにかく第一印象はあまり良くは無かったです。
三重国籍者
ところでゴーンは生来のフランス人ではありません。これは皆さんご存知かとは思います。
両親ともレバノン系でフランス人の血筋は無く、ブラジルで生まれて小学校から中学終了まではレバノン育ちですがフランス国籍を持っています、それが驚いたことに出生地のブラジルと父母の出身国レバノンとの三重国籍なのです。
どこでフランス国籍を得たかというと、確かめる術はないのですがおそらくグランゼコールを卒業、そのままミシュランに入社したので在仏5年を超えた後申請して国籍を取ったのだと思います。彼の学歴・ステイタスと収入があれば全く問題無いですからね。
ブラジルでは現在のアメリカ合衆国と同じく出生しただけで自動的にブラジル国籍をくれます。また父母の血縁からレバノン国籍もあるのでしょう。
在EUイギリス人の間で二重国籍希望者続出
多重国籍はフランスでも、またアメリカ合衆国など他の多くの国々でも容認されていますが、これには成人した後希望して他の国籍を取得しても生来の国籍は失わなくてもいいということも含みます。イギリスもその中のひとつです。
さて去る2016年6月の国民投票によってイギリスのEU離脱(BREXIT)が決まったのですが、これが在EUのイギリス人の間に不安を湧き起したのです。
イギリスがEU諸国の仲間である間はいちいち滞在許可など気にしなくても移動労働が自由に行えたのですが、EUを離れた後は<不透明>。
既得権利は守られ、すでに滞在をしているなら問題なく滞在許可を続けられるとはアナウンスされていますが、突如変更になるかも知れませんよね?
それでEU滞在国の国籍を申請する人々が格段に増えました。
フランスだけの年別統計が下の画像ですが、爆発的増加と言ってもいいでしょうか。
イギリス人専用の窓口!
さて、在仏のイギリス人はパリの周辺の他、アキテーヌ地方を始め南西部に特に多いのですが、トゥルーズのプレフェクチュアではイギリス人専用の対応窓口を設置したそうです。
いかに殺到しているかがこれでもわかります。
このご夫婦はまだ滞在3年目、BREXIT決定の後に来仏し今後も住む予定で現在は日本人などと同様滞在許可証を申請しています。そして滞在5年目を過ぎたら国籍申請をするつもりだということです。
理由はやはり「先行きはわからないし、不安だから」。
EU離脱をきっかけに念の為国籍を取得して国外退去のリスクを無くすのが彼らの目的ですが、新たにフランス国籍をもらってもイギリス国籍を保持できるので躊躇なく踏み切っているようです。
こちらはトゥルーズに住むイギリス人女性の2つのパスポートです。
この通り2つとも有効なパスポート。申請が殺到しているせいか手続きが終わるまで1年半ほどかかったそうです。
イギリス国籍を申請する在イギリスEU国籍者も急増
また、逆に在英のEU国籍の人たちの多くも同じく危機感を持っているためイギリス国籍の申請が増えています。
日本人の隠れ二重国籍問題
さて日本では相変わらず二重国籍は認めていません。
ただし非公式に二重国籍な人もたくさんいます。ほぼ全員が生来の日本国籍の持ち主ですので認めてもいいのではないでしょうか。
移民受け入れの問題をあれこれ論じる中で日本もいい加減に実情に合わせてこちらの法整備もきちんとしてほしいとは思いますね。
上のリンクは
・日本人と外国籍の人の両親のため出生とともに自動的に二重国籍になった
・出生地主義の国で生まれたため両親が日本人であっても出生時に自動的に現地国籍が付与された
場合ではなく、(上記の場合は法律に明記されてはいないのですが法律の盲点で暗黙に二重国籍保持は認められています。)
両親が日本人で日本で生まれた人がその後海外に居住する上で必要性あるいは有用性のために現地国の国籍を自らの意志で取得した際、日本国籍も保持することを選択できる
ように国籍法を改正することを実現させる運動です。
多くの人がこの運動の解釈を別の意味に解しているようですが、この運動が起こしている訴訟自体も「日本国籍の保持が選べないのは憲法違反である」というものです。
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