ここヨーロッパ中南部では驚異の暖冬ならぬ暖秋だった10月が暮れて、11月に入り、やっと通常の気温に戻ってきた感があります。
その暖かい秋の10月の半ばから、繰り延ばしに延ばされていた、アパートの建物の外装工事が始まりました。
やっと始まった工事
フランスでは(他の国でもですが)住宅建物の外装はやはり何十年かに一度は改修工事をしないとボロボロの状態の建物になってしまいます。ですが、特に共同住宅の場合所有者の意見の一致と工事の総務関係をしきるSyndic(ほとんどが不動産会社の一部門)との折り合いがつかないと始まりません(特に費用の支払いを渋る所有者が居ると難航します)。そして実際には工事関係者のプランニング(ほぼ人員の問題)が揃わないと始まらないので話が始まってからすごく時間がかかります。
6年前から住んでいる今のところも外装の壁や装飾物が剥がれ落ち、時々下の歩道にかけらが落ちるなど相当やばい状態でした。きっとここは約100余年前に建てられてからおそらく多くて1回『サクッと』改修しただけなのだろうと想像しています。
しかし、この建物は古くからあって中身はともかく外見はいかにも『古き良き時代』を彷彿とさせる建物ですので、景観保存のための市の補助金が少し出ます。でもやはり大金を皆で分割するので払わない人もいて、コロナ禍のあのロックダウンの隙間に不動産屋から改装工事の見積もりがありプロジェクトが始まったにもかかわらず、最初の予定から工事に着手するのが半年ほど遅延してました。(・・・もういつになるのか・・・)
始まった日に起こった『悲劇』
暖かい10月の夕方近く、買い物に出たところ建物の入り口のインターホーンのところに貼り紙がありました。見ると不動産屋の担当が貼ったもので、
「あさっての木曜日から工事の足場の組立に入りますので、
ベランダにある物は漏れなく他所に移してください」。
やった、コレは昼休みが終わった後貼りに来たんだな、でもやっとこさ始まるんだと一応喜んで、明くる日は植木鉢やプランターを屋内の階段の踊り場とかにすべて移動、足場の設営に備えていたのですが・・・。
設営が始まった木曜日。朝から外でガンガンと大きな音がしています。やれやれこれからしばらくこんな状態がほぼ毎日続くんだな、思いながら雨戸を閉めた室内でPCに向かって仕事をしていると、壁の向こうからウイーンという音が断続的に聞こえてきました。
「何やってるのかしらん?」
と素朴な疑問が湧いてきた私。
「そりゃ足場立ててるんだから補強のためにも建物にもひっかけるところが必要だからちょっと削ってなにかを付けるんだろ?」
と、ダンナの意見。
あっ、そう。でも騒々しいな、気が散るんだけど・・・。
気にしないようにしてPCに向かい続けていると、突然、
ガッバン!
と音がして、キーボードの上を始めPC周りに漆喰のようなものが飛び散って目の前に振りかぶって来ました。
一瞬何が起こったか理解できなかったのですが、1秒後に気づいたのが、
なんと真ん前のPC画面の横に穴が!
じゃなくて、PC画面の後ろの壁に穴が開けられていました!
言葉で説明するより写真を見た方が早いですね。
キーボードが壁のクズまみれ!
穴からは空が見えます
運良くパソコン作業時にはPCメガネをかけているので、細かい破片が眼に入ったりはしませんでしたが、もし裸眼だったら、と考えるとぞっとしました。
いつになったら修復されるんでしょうか
すぐに工事担当に噛みついたのですが、「こんなこと初めてだ」とか言いながらやってきて、とりあえず適当に(穴を塞ぐだけ)補修したのですが、こんな大きな(縦横10cmほど)のブサイクな穴の跡が残っています。
どうするんだ! これは工事のせいだぞ
とにかくも、午後には不動産屋のSyndic担当と足場建設会社のオーナーがやってきました。
Syndic担当の兄さんはスペイン系のファミリーネームで見るからにイケメン(当地ではほとんど見ないタイプ)なのですが、足場建設会社のおやじさんと一緒にへらへら対応です。おやじさんは、
「改修工事が終わるまでには協力会社に頼んで直しますよ。穴をきちんとするだけではなく、この壁全体を塗り替えてきれいにしてあげますから期待しててね」
とか言ってたのですが、もうすぐ一ヶ月になるんですけどね~。
工事は年末までかかりそうなので、まあ連絡を待つしかないのかも。それでも、本当に
こんなのアリですか?ないでしょう?
です。フランスの工事は工事だけやって汚れた後の掃除などしないのは普通ですが、壁に大穴を開けられるなんて、あんまりないと思います。ほんと、勘弁して欲しいです。嗚呼・・・。
コメント