昨日は先日言い渡された
<アトリエ>(ワークショップ)に参加。
・・・いえ、Pôle Emploi (職安)の話です。
ここで3月1日のあのいやな<面談>をもう一度たどってみましょう。
そうです、あの時「アトリエだよ」と言われたので
「何か具体的に履歴書作成の研修でもさせられるのだろうか、こんな無駄なことやってもどうせ私にあう仕事なんて皆無なんだから、疲れるだけかな、」
と憂鬱に、しかし今日は風も無く歩きやすいので片道25分強のところをとぼとぼ歩いて行ったのです。
あー、なんか大昔、東京の会社を辞めた後、しばらく川崎北の職安に通ったことを思い出す・・・・。
会社なんかほとんど無い住宅街の真ん中だったかな・・。
(うろ覚えです、今は違ってたらすみません)
空き地の真ん中のPôle Emploi
本当にここって野っぱらの真ん中モード。
夕方なんて誰も歩いてないだろうから女の子が帰るのは怖いだろうな。
おそらく職員のほとんどはクルマ通勤なんだろうな・・・と。
と、いうか新興住宅地のようで、野っぱらの真ん中に日本で言えば<マンション建設予定>とかのボードが立ってるところもあるのですが将来はパリで住んでいたところの近所のように人間が大量に行き来する界隈になるのか?というとすごく怪しい。
ゴーストタウンになるのでは、と人ごとながら危惧しています。なにせこの街にはあまり仕事が無いとのことで有名。仕事が無いと有能な若者は大都市に行ってしまいそこで家庭を持って現在ここに建築中のようなアパートに住むんだろうけど、そんな人達が少ないここに、なんのために?
疑問は膨らみましたね。まあ、私が心配する必要はないのですが。
今日の担当者は親切な感じ
さて13時45分ぴったりに到着したのに相変わらず待合でみんな待ちくたびれた顔をして待っています。もう慣れましたけど。
14時になって初めて前回の大部屋に移動。
今日は 40代ぐらいの男性+若い男性+若い女性の三人組が説明を担当。この間の女の子達より親切そうな面々。彼らはきっと良き上司+部下という関係の人達なのだろうと勝手に推測していますが・・・。
しかし<アトリエ>といっても内容は前とさして変わりはないPôle Emploiサイトの使い方の説明を中央から配布されたパワーポイント資料を使って説明する、ということに終始。
2014年にリニューアルされたPôle Emploiサイトはそれはすごいです、自分のアカウントに履歴書を5種類まで登録できたり、ネットでの求人応募ももちろん可能、全国に渡る仕事情報も完備。仕事探しをするだけならパソコンがちょっと得意な人はわざわざこんなところに来なくても大丈夫。感じ悪い職員に遭わなくてもいいのは更にメリットです。
でもどうしてフランスの職安はサイトでの仕事探しを奨励しているの?
これって結局
「職安に就職の相談をしにむやみに来所するな」
ってことだよね。、と勝手に納得。
先日の午前中の自由入場時間の所内の混雑とやって来て質問する人達の多さをみても職安でもうんざりしてるんだろうな、って思います。
出来る人はおウチでやってね、という事らしい。1月半ばから午後は予約専用にブロックして、恐らく時間ぴったりに業務が終わってすぐ帰れるようにしたのね。外は荒れ野原だし職員のセキュリティ上の問題もあるのかな。・・・この国では何かあったら
「こんな危ない環境で仕事させるな」
と、職員ストに発展しないでもないのだから。
パリ郊外の高速鉄道(RER)では時々運転手や車掌が殴られたとか刃物で脅されたとかの事件が起きたりするのですがその後<就業拒否>という予告無しストがちょくちょく発生、暴力事件もそうですがすぐストにつながるお国柄なのでした。
職安って就職斡旋にどれだけお金を使ってるんだろう
先日のオヤジからは「午後一杯かかる」と聞いていたのに集合説明は1時間強で終了。その後はこの間みたいな個別面談は義務では無かったので要するに、1時間でおしまい、ってことでした。覚悟して来た私にとっては肩透かし。でも嬉しいです。もちろん出席簿にはしっかりとサインして置きました。
でもねえ、このサイトの作成費用と維持費用も結構なものだし、説明中での就業援助手当てなど(例えばもちろん限度はありますがホテルや食事、ガソリン代充当費など遠方に面接に行く費用補助が申請できるのです!)Pôle Emploiだけでも国は膨大な費用をかけているのでしょうけど、失業率は一向に改善しない、説明で私の隣に座っていた30代から40歳前後の女性が
「もう2年も仕事にありつけてない、ここには仕事なんてない」と
職員の男の子に愚痴をぶちまけてました。
2年もだらだら失業しているなら、希望している職種以外に何か他に技術を身につけるとかする事は出来なかったのかな、とは思いましたが、もしそうしても経験が無ければ恐らくはだめなのでしょう。
勝ち組の存在は日本以上
ある程度年齢が行ってしまったらすごい経験/技術の持ち主以外は再度よい職に有りつけることは難しいのは日本もフランスも同じですが、新卒確保の習慣の無いフランスでは若いうちに仕事の経験+安定した高収入のいわゆるbonne situationといわれる地位を確保することは日本以上に難しいのです。
パリに居た頃学校の単位を得るためのスタージュ(長期研修)で働く若い子達がたくさんいましたが研修期間が終わったらバイバイ、学生の研修なのでお小遣い程度の報酬以外は社会保障費を支払う必要は無いので会社にとってはすごくお得な労働力、といったところでしょうか。
そうやって普通の大学や専門校を出てもすぐに仕事に有りつけない、出遅れると今度は経験が無いのでだめになってしまいます、そんなこんなで20代後半になっても定職どころかちゃんとした勤務経歴が無い人達も。
ただそんな場合でも救済措置でなんとか救われているのがフランス。
(くだけた日本語で言えばナマホでしょうか。)
こんな手厚い社会的弱者保護目当てにフランスにやってくる<経済移民>が多いのにもなるほど、と頷けてしまうのでした。
コメント