既製服のようなお菓子

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お菓子屋さん+パン屋の実態

観光等でフランスに来たら(何もパリだけのお話ではないのです)、街でBoulangerie-Patisserieの看板を良く見かけますよね。

*写真のお店は記事の内容とは関係ありません。

さてこれらのお店ではバゲットなどに代表される食事の際食べるパン、チョコチップ入りのパン・オ・ショコラ、干しブドウ入りのパン・オ・レザン、クロワッサン、などのバター味で甘みの付いた朝食やおやつに食べる菓子パン類(viennoise)はもちろんお店で焼いたものの筈です。

・・・スーパーのパン屋さんではイーストからこねるのではなく種を持ってきてオーブンで焼くだけのようですが、とにかく焼くのは現場で焼いています。

さて、それでもパンだけを売っているお店はそんなにありません。
ほとんどの店では生菓子(クリームや果物が使われた日持ちもしないと思われるもの)やチョコレートも店頭に並べてあり、デコレーションのバラエティを保ち、お店の売り上げにも貢献しています。

・・・・そうですね、パン類だけだと殺風景な感じになりますね。パンの棚の隣に色とりどりでクリームやチョコで飾ったお菓子があれば本当にフランスらしいお店の雰囲気になるというもの。

でも、ほとんどが小さいお店でパン焼き職人さんが居てもお菓子まで製造出来るスペースや人員を要しているようには見えないのですが・・・・。

配達+解凍です!

私は店のショーウインドーに並べられているきれいなガトー(gateaux
=お菓子)類には別に何の疑いも無く「こんなにきれいに見栄え良く
全部同じに量産するのは大変なお仕事だな」と思ってました。時々は
購入したり、でもそれほど甘党フリークでもないのですがなんとなく
画一的な見栄えと味に違和感はありましたね、
「でもどこの店でも似たものが置いてあるな」、と。

ところが先日何気なく見ていたテレビ番組で、お菓子の特集らしきものが
始まったのですが・・・。見た後はちょっとショックでした。

なんと冷凍のお菓子を製造する業者があってカタログを持ってあちこちのパン屋さんに営業に行き、契約すると夜が明ける大分前の早朝にダンボールに入った冷凍品をこっそり配達、パン屋では解凍してそのままショーケースに並べて終わり。

出来上がりが均一で見た目にもきれいなお菓子を並べるとやはり店もきれいに見えるんですね。そして手間要らず。並べるだけですから、スキルは不要、バイト店員でもOK。
*ちなみに今日の記事のトップの写真は冷凍エクレアを袋から出しているところです。

レディメイドのシュークリームの皮・・・

冷凍された完成品だけでは無く、シュークリームの皮とかケーキの台だけの既製品もありますね。
お菓子作りも習ったことが無い若い店員がクリームやイチゴを飾り付けて終わり。

それならまだ許せるかも知れません、飾りのクリームなどが自家製なら。

でもそれさえも既製の工場で作った品を使っている場合、食品添加物が気になります。
案の定あるお店(お客さんも多く人気のようです)では既製品の生クリームの入った容器から取り出して飾り付けに使用していました。飾り付け作業は客から
見える場所で行っているのでいかにも自家製のお菓子、という演出が可能です。
考えたものであります。

そういえばスーパーなどで売っているお菓子も表示をよく見ると実に色々なものが添加されています・・・。

Eナントカ、とあるのは人工的な物質です・・・。

 FAIT A LA MAISON を探せ!

番組ではとある地方の良心的な職人さんの経営する本当に自家製の製品しか置かないお店も取材していました。横行する冷凍の形ばかり美しいお菓子を堂々と売っている他の同業者に怒りを感じた店主はついに店内にパネルを設置してマニュフェスト。
<9割の店では冷凍を使っているがウチはそうではなく完璧に店で作った手作り品である・・・>

このお店では裏のアトリエで数人の若い職人さん達がエクレアなどお菓子作りに専念していました。この人件費もかなりなもの、それこそ冷凍品で済ませたい気になるのはもっともですが、買う者の側から見るとやはり安全な手作り品がいいのに決まってますよね。

 ・・・・・このレポルタージュ番組を見てから、ちょっとお菓子屋の製品を見る目が変わりました。そしてどれが工場で作った冷凍品でどれが自家製(fait à la maison)かもなんとなくわかるように。

例えばこれ、街中の手作りの店で。外見は少しいびつですが見るからに自家製。

同じ製品でもそれぞれ少しづつ形が違っています。
持ち帰る途中でチョコクリームが溶け出したのも純度が高いせいで、
見てくれではなく食するにはGOOD!

ゆうめいブランド信仰

高級ブランドのお菓子も結構形がきれいに均一ですが、手間隙かけて作っているのできれいなのでしょうけど、それを入れる華麗な包装材の費用も結局は購買者が品物に上乗せされ負担しているのですよね、
そして価格がさらに跳ね上がって。

でもまさか添加物とかは入ってはいないでしょうね?
某パリ中心部に何店かある高級食材店のお菓子も原色使いでゆうめいですが、なんか食べたくはない。

手土産にブランドの名の入った袋を持って行くだけでインパクトを呼ぶ価値があるのならそれはそれでいいとは思いますが、純粋にお菓子を味わうだけなら一般の街中の手作りのお店が一番ですね。

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