フランスの所得申告はセルフサービス方式

フランスの税金はいくら給料からの天引きシステムになっていても、年一回自分で申告することになっています。それが今、5月から6月にかけての時期です。これは単身者以外は夫婦(PACSも)+原則として20歳までの子供単位で行います。

これは国籍が外国籍の人達ももちろん、みんなが行う必要があるのですが、日本と違ってサラリーマンでも全員自分で前年度の収入を税務署のサイト上で申告することになっています。いわば日本で言うところの『確定申告』でしょうか。

目次

昔は<自己申告>だったのよね

私がフランスに来た頃はまだまだ行政の情報処理が遅れていて、申告書は自分で前年1年間にもらった給与総額を自分で手書きで記入することになっていたのですが内心、これってごまかす人もすごく多いのでは?と思っていました。
何万人もが一斉に申請書を送って来る訳なので税務署もチェック仕切れないのも多かったのでは?と今でも疑っています。それにフランスの公務員がそんなにもきちんとチェックしているとは思えないし。

しかしそれが数年して、(サルコジ大統領の頃)税務署から送られて来る申告用紙に前年度の給与総額がもれなく印字されて来るようになったのでした。

オー、手間がかからなくなった、よかったね

と思っていましたが、それまで企業の給与部門担当(または給与明細作製代行会社)がおカミに自分が面倒見ているサラリーマン達の給与額をまとめて申告する制度すら無かったのであることに改めて気づいたのでした。
(この辺ってワタシ的にはフランスは遅れてると思えてました。)

ちなみにフランスでは小規模な会社では経理部署はあっても給与計算と明細作成は外部に依頼しているところが多いのです。私が長年働いていたところもそうでしたが、右下の写真の明細をもらったことも。

なんぼなんでもこれは無いだろと信じられなかったのですが作成会社がシステム上の数字をならした処理だったようで後で正式な明細をもらいました。

でもよく平気で こんなの出してくるよね。どっきりものでした!

支払額ゼロ?
トンデモ明細書をもらった時は唖然!
©sakuraex.eu

全員ネット申告への道

さて、数年前から税金はネット申告も出来るようになったのですが、これがフランスの事でなかなか普及しなかったのです。みんなやっぱり紙の申請に固執してました。

ネットでやっても後で税務署の連中がデータを間違えて更新するかも。
それに元々のコンピュータプログラムミスとかもあるかも。

ってことなのか、単に新しい方法を取り入れたくないのかわかりませんが、日本と違ってなかなか新しい方法って馴染みにくいのがフランスです。

そこで、かも知れませんが2016年から収入の多い層から段階的にネット申告が義務化されていて、2020年の分(つまり今年2021年)からは原則としてネット申告のみになりました。つまり、前年までにネットで申告した人たちはもう、ペーパーベースでの申告はできません。
でも高齢者やPCが使えない一部の人には申告方法についての救済措置はあるようです。

我が家でも2019年からネット申告をしていたので今年はもう紙の申告用紙は送られてきませんでした。
サイトには給与所得者や公務員、年金受給者、失業手当受給者などはすでに収入額が入っていて間違いがないかのチェックだけで済みます。もしも間違いや追加申告等があれば自分で入力します。
申告は世帯単位なのですが、個人ごとの申告番号があるのでそれを使ってサイトに入ります。私の分はmicro-entrepreneurの分や国外口座の申告もあって結構ややこしいので先に入力しておいてまた見直すことにしています。

このように1回申告をしても最終的な締め切り日までは何度でも訂正出来るというのは便利ですね。締め切り日は県番号の若い順から3つに分かれています。

三段階に分かれた期日 (Source: impots.gouv.fr)
*日にちは毎年変わりますが、県番号によって3段階であることは同じです。

初めてネット申告する場合

初めてネット申告する場合でも去年まではペーパー申告(郵送または持参)していた場合は、


去年受け取った申告用紙の紙に印字されていた『numéro d’accès en ligne』の番号、
そして去年の税金額告知の書類上の『revenu fiscal de référence 』、自分の『numéro fiscal 』を探します。


これらを元に税務署のサイト上にアカウントを作って申告することが可能です。

しかし、
そんなものはなく、今年初めて申告する、という場合は、まっさらから新しくアカウントを作製します。
以前は税務署に出向く必要がありましたが現在はこれもオンラインで作製可能です。

https://www.impots.gouv.fr/portail/contacts?778

にアクセスし、ページの下方にあるフォーマットに個人データを入力します。
nom de usage(通姓)は必ずしも使っている人ばかりではないのに入力必須になっていますので、使用していない人は日本姓をもう一度入れておけば大丈夫かと思います。

その後はこんな指示があります。念の為滞在許可証の裏表コピーをPCに用意しておくのがいいですね。

税金サイトのアカウント作製画面(個人データはダミーです)©sakuraex.eu

ここで注意!

フランスでは収入の有る無しに関わらず税務署への申告が必要です。

なので、滞在許可証を得て前年(申告対象の年)に183日以上フランスで生活していれば、学生身分での滞在等でフランスでは無収入であってもフランスでの所得金額をゼロとして申告しましょう。

また、フランス国外の銀行口座は、やはり申告することですね。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

目次