フランスの”県番号”って何?

私がフランスに来て(その前にフランスに旅行した時も)最初に疑問に思った事があります。

それは

何で国鉄の改札には改札用の機器が無く代わりにあるのが切符の穴開けマシンなのか、

ではありません。また、

フランスは寒くて雨の多い地方もあるにかかわらず市場は青空市場が主流なのか、

でもありません。

それぞれの県になんで番号が付いていて郵便番号の頭2桁とかクルマのナンバープレートとかに付いてるけれど、そもそも場所はてんでバラバラ、日本のように北の方からから0で始まるとかじゃない。

本当に疑問でしたが、「そういうものだ」と受け止めることにしていました。
そう、フランス語ではなんでRは英語のように巻き舌で発音しないの、と思っても「そういうものだ」と受け止めて必死に日本語に無い音を練習するのと同じでした。

 

目次

フランス革命当時から始まるフランスの「県」

このフランスの「県」、そもそもの始まりはあのフランス革命の時だそうです。その後ナポレオン時代~度重なる戦争、植民地独立を経て県の場所、構成、名称などいろいろな変遷ののち、大体現在のものに落ち着きました。

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バラバラに見えるのは、ABC順だから

それでバラバラに見えるのは、番号がアルファベット順にふられているからでした。Aで始まるAinが01でその後・・・・・、ですが、それは89のYonneまで。

90のBelfortは戦争の影響等、特殊な成り行きで後づけで編入なので最後の番号です。

また、Alpes-Maritimes (06)に囲い込まれる形で位置するモナコ公国も実務便宜上郵便番号ではフランスの県扱いで98000になっています。

それから海外県は9から始まる3桁になっています。

パリの周辺はなぜこの番号なの?

それでも、です、パリの周辺っておかしくありませんか?

74がふられているのはSavoie(73)の次のHaute-Savoieですが、なぜに頭がPのParisがその次の75になってるのでしょうか?
そしてYで始まるYvelinsが78、ですか? 92とか95とかもありますよね。う~~ん。

実はパリ市のある地域はあのフランス革命直後からSeine(セーヌ)県と呼ばれていて、今よりかなり大きかったのです。つまりセーヌ県はパリ市に現在の周辺の県を合わせたぐらいでした。それは第二次世界大戦以後も続き、おおよそ280年の歴史がありました。

それが1968年1月1日からパリ市+周辺の県に再編成され、それとともに今のイル・ド・フランスの県が誕生したのです。

パリの75はもとはセーヌだったのでそれを踏襲、

75・・・Seine → Paris(市部のみ)
76・・・Seine Maritine (ノルマンディー地方の県)
77・・・Seine-et-Marne 
78・・・既存のSeine-et-Oiseが縮小再編成 → Yvelinsに名称変更
79・・・Deux-Sèvres  ( フランス中西部の県)
80・・・Somme(フランス北東部の県)
  そうですね、これらちゃんとアルファベット順です


と、以下90まではみんなABC順で既に埋まっているのでパリとイヴリンの他の新規誕生したイル・ド・フランスの県にはABC順で91から95をふって後付け作成になったのでした。
91・・・Essonne
92・・・Haute de Seine
93・・・Seine-Saint-Denis
94・・・Seine et Marne
95・・・Val d’Oise

これで納得いきました、なんで75から90番代に突然飛んでいるのかが。

ちなみに96から98に当たる県はありません。98は郵便番号だけのモナコだけ。
モナコは郵便局はフランスのを利用していますがナンバープレートは独自の紋章付きでひと目で分かりますよ。こちらではめったに見かけませんが、パリではよく見ました。

99は外国を表す番号

付け足しですが、その次の99について。

実はこれは外国全てを表すそうです。番号が使われている代表例がSecurité Socialeの番号の中で、生まれた県を表す数字です。外人はもちろん、外国でフランス人の(両)親から生まれたフランス人の人たちにも99が使われています。

なるほど、でした。

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