成人の日の忘れ難き思ひ出

今年の冬はこれまでのところすご~く寒いですね。これは少なくともヨーロッパの西の方全体がそうなっているようで、年が明けてからコート・ダジュール等は別としてフランスのほぼ東半分は大雪に見舞われています。

こんな感じです。もうなんだか写真集のようなニュースサイトを見つけました。

https://www.francebleu.fr/theme/enneigement

そうしているうちにパリでも大雪が降った模様で、観光客の居ないモンマルトルで遊んでいるパリジャンがたくさん居たようです。またしても人が大勢集まってるんですけどね。

こんな「寒~いフランス」ですが、当地はいつもの強風が吹いていた時は凍えるように寒かったのですが、今週は一番曇っている日でもおおむねこんな感じです。

カリフォルニアの青い空ならぬ南フランスの青い空(©sakuraex.eu)

午後3時前までに外出して日なたを選んで歩くとぽかぽかしてきます。新コロナに感染しても重症化しないにはビタミンDが効くとかいう話しも聞くのですが、お日様が出ている日に散歩して太陽光を取り込んでおけば大丈夫かな?

スペインも内陸部は普通でも冬は寒いのですが、今年は何十年ぶりかで大雪が降りました。気の毒なくらいパニクっている光景が何度もニュースで映りましたが、パリと同じく楽しんでいた人もたくさんいたようですね。

わたしの成人の日の出来事

この、

今年の冬は寒い冬で大雪が降った、ということと成人の日とは一体何の関係がある?

なのですが、実はこれはわたしの記憶につながるからなのです。

ご存じの通り、確かミレニアムの頃から移動祝日制度ができて、それまで決まった日だったのが月の第2月曜とか第3月曜になって日にちは毎年変わるようになった祝日もいくつかありました。
成人の日もこの中に入っていて、それまでは1月15日と固定されていました。

当然わたしの20歳の時も1月15日でした。

もしかして、

えーっつ、成人の日って前は絶対1月15日に決まってたの?

と驚くかもしれませんがハッピーマンデー制度という言葉をググってみると説明してあります。

当時は、移動祝日になると「成人の日=15日」の情緒も何も無くなる気がするとか思ったのを覚えていますが、そもそもわたしの成人の日は情緒もへったくれもありませんでした。

  1. まず、市役所から招待状が来なかった。
    何年か後までも不思議に思ってました。行く行かないは本人の自由だけれども招待されなかったのは無視されたようで一応ワクワクしていた19歳の自分としては凹みました。
    12月に引っ越したばかりのせいかと思いますがその前に住んでいた都内の区からも来なかったのは、
    <出た方入った方の両方から、これは当方の管轄では無い>

    という処置がとられたのではないかと思っています。
  2. 月末から始まる学年末大試験が頭にあった。
  3. 前々日あたりから大雪が降って極度に寒かった。
  4. そして当日は朝から単発のアルバイトに行く必要があった。

単発のバイト、そう、成人の日は祝祭日なので休日。授業は無いし招待されなかったので成人式はわたしには関係は無いのだ、とその日にあった単発のバイトに行くことに決めていたというわけです。地方出身の学生はちょっとでもチャンスがあればお小遣いの足しにとバイトを探すことも多かったのですがわたしも同じでした。

単発バイトはほぼ全部が面倒な事前面接も無くて電話連絡でOK、当日現地集合で大丈夫、お給料も終了時に現金封筒でもらえていました。クライアントにもよりますが半日で5000円キャッシュなど、労力対報酬のコスパ満点の仕事もうまくすれば見つかりました。
そういうわけでなにか無いかと大学のアルバイト斡旋所に行ったところ、

試験監督

の募集がありました。ちょうど住まいからも近くです。

試験監督?面白そうじゃん。

一も二もなく申し込み、それでは15日の朝来てくださいね、ってことになりました。

場所は中央線の2駅先の武蔵境というところです。ここには後にも先にも行ったことはありませんが、当時は吉祥寺より先は未開の地でしたのでどんなところなのか見てやろうという気で行きました。
まあ、実際何でもない郊外の街でしたが、駅から前の日大雪が降った中を徒歩15分ほど歩いた、とある大学のキャンパスが目的地です。ブーツを履いてたのですがやはり足が冷たかったです。

行くと、それは高校生の模擬試験会場でした。模擬試験、要するに共通一次や大学入試センター試験では無くて、受験産業会社が主催して生徒が実力判定のために受けるテストです。(だから監督は学生バイトでOKだったんでしょうね)

実際、試験用紙を配って後は1時間ほど教室内をぶらぶらしていればいいだけの超楽ちんなお仕事でしたが、時間を持て余してしまいました。実力判定の模擬試験なので不正行為の心配は無し、それで窓の外の雪景色を眺めて暇を潰しました。出身地ではほとんど雪は振らないので雪が積もったのを見るのは東京に来てからでした。その頃はまだ雪を見るのが珍しく、暖房の効いた私立大学の教室から見るキャンパスの庭の白い眺めは結構楽しいものでした。

窓の外ばかり見ててもまずいかも知れないので、振り返って試験中の高校生たちの様子を見ました。みんな真剣に答案を書いていますが、中に超超イケメンの高校生くんが!! 今で言うジャニーズ系だけれどもそれに大いなる知性がミックスされています、きっといい点とっただろうな。20歳と17歳なら射程距離の範囲じゃん。

気に入ったのでその後ずっとチラ見してました。イケメンくんを発見した後はこのバイトがぐっと楽しいものに変わってそれは試験時間が終了するまで続きましたね。

でも悲しいかな、時間が来てみんながテスト用紙を置いて出ていってしまって終わり。イケメンくんがどこから来てどこに帰るなどとかはまったく不明で終わりました。

バイト代は終わって速攻もらえて、一瞬だけどイケメンくんも鑑賞できていいバイトになった日なのですが、帰り道もやっぱり寒~い中でしたし、

なんで成人式にバイトなんてやってるんだろ?

ってブツブツつぶやいてました。

それでこの私が成人式に行くはずだった日は、

  • 寒~い中を朝からバイトした
  • 成人式に出たかったかもしれないと思って気が重たかった。
  • ちょっと郊外でより一層白い景色を堪能できた。
  • イケメンくんをじっくり鑑賞できた。
  • 午前中で終わる超楽ちんなお仕事だった。

という絶対忘れられない思い出になったのでした・・・。

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