帰宅難民どころではない帰れない人たち
イギリスで南アフリカ起源の通常の70%増しの感染力を持つらしい新コロナ変種が発見され、その後の週末からイギリスからの「渡航禁止」が続発されたせいで空路も陸路もストップがかかり、クリスマス前に大陸側に帰宅する予定の人たちが足止めをくらってしまいました。
ユーロスターも48時間ストップの後、72時間以内のコロナ検査陰性の証明書を持つことを条件として運行再開、駆け込み帰宅する人々で駅はごった返しました。
しかし、陸送トラックは依然としてイギリス側で4000台以上が駐車場としてあてがわれた旧マンストン空港などに停車したまま、こんなに多くの運転手の検査はいっぺんにできないのはわかるのですが、宿泊の斡旋も無しで現地に放りっぱなし状態とはこれいかに・・・。いくら頑健な運転手たちでも参りますよね。
そして、いっぺんに大量の検査は不可能なのでセルフサービス検査の奨励、なんと検査キットが配られ、<自己責任>で検査をしてくださいということになっていました。
しかしこれも一度に全員に行き渡ることは無理だったとのことで、検査が遅れている人たちは25日かそれ以降に家に戻る算段になっています。
大陸側に帰るのはフランスだけではなく例えばポーランドの車両なども多いのですが、雇用主のコメントでは
『この後イギリス行きの仕事をやりたがらない人間が増えるだろう』
ということ、その気持わかります。同じようなことが必ずまた起こるとは限らないにせよ、イギリス行きはイメージ悪くなってしまいました。
ところでコロナには関係は無いのですが、31日にイギリスがEU脱退した後に持っていくと関税がかかるかもしれない、ということで少し前からいつもよりたくさんのトラックがユーロトンネルを通じる道に殺到して大渋滞になっていました。
フランス側の渋滞はカレー、(つまりイギリスに渡りたい不法難民のベースキャンプ地)で起こっていたのですが、止まっているトラックに潜り込んでドーバー海峡突破を目論む不法難民がたくさんいたそうです。難民運搬責任はトラック運行者に行くはずなので、運転手も神経使わされます。もっともこれは今回の渋滞騒ぎ以前から日常的に行われていたものですが、こういう苦労もあるし、今回の件も重なってイギリス便に拒否反応をしめす従業員がもっと増えるかもしれませんね。特別手当を提示する経営者も出ると思います。
伝統的なクリスマスを死守する人々
昨日のクリスマスイヴでは、夜間外出は認められ、一応6人以内なら家でパーティも可能でした。
(でもこの人数制限、ちゃんと守られていたかは誰にもわかりません)
数日前からTVなどでは
などの啓蒙活動をして、コロナ感染防止に気をつけている『模範家族』を紹介したりしていますが、実際フランス人のやることです。なにせこれまでと変わらぬ『伝統的なクリスマス』を過ごすことがほぼ義務と考えている人々が多すぎます。
とある無作為抽出アンケートでクリスマスのつどいはやらない、と答えた人は全世代を平均してわずか10%ほど。クリスマス商戦真っ最中の大都会の街中を買い物に歩く人々の姿はマスクさえ付けていなければ去年以前の画像に見えるほど大勢いました。
一週間後の大晦日は夜間外出禁止ですが、個人的パーティはやらないという人は若干増えたのみ。この2度に渡るトラディショナルな年末年始のお祭りで年明けはきっと大変なことになると思います。
ちなみにウチでは二人っきりだし特に特別なことはありません。パネットーネとかを買ったぐらい。コロナだからと言うのではなくて毎年のことです。それに毎年この時期は食料品は値上がりしますから、結果として支出大になるしかないので無駄買いは避けます。
大きなツリーもパリに住んでいた時は子供もいないし場所も無かったし飾らなかったので、ここでもその延長です。それでも一応30センチほどのミニツリーだけは飾ってます。これだけでもクリスマスの雰囲気は十分です。
アフリカでこれ以外にまた危険な変異種??
さて、この交通の渋滞と帰宅(帰国)難民を生み出した新しい変種、現地ではこんな感じです。
これだけ見るとすごく怖いです。南半球の温帯に位置する南アフリカではこちらと季節が逆なので今は夏の盛りに入る頃、コロナは暑さに弱いはずですが、この状況です。
日本を含め他の国でもこの”英国経由”変種の感染者がちらちら発見されていますが、おそらくユーロスター等を通してフランスにも入ってきていたはず、年明けにはどうなることでしょうか。
他のアフリカの国でも別の変異種が発見されたニュースもありますが、Covid-19に悩まされる日々はまだまだ続きます。
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